2007年11月
4回目の穴窯焼成 その2
4回目ということでだいぶ慣れてはきたけれど、まだまだわからないことがいっぱいです。
一番難しいのは、還元の強さです。正直言ってまだほとんど理解できていません。
もちろん窯と煙突の間にあるダンパーの調節という点では、灯油窯でもガス窯でもまったく同じなのですが、
灯油やガスなら火加減(どの程度の燃料を送るか)の調節はダイヤルあるいはレバー一つなので、簡単に一定の火力を保つことができます。
ところが薪窯となると、薪を入れた瞬間には、火力が強く(燃えてエネルギーになるためのガスが出るということ)、強還元の状態になっていますが、薪が燃えていくにしたがって、炭素の量が減り、炎となるガスが出なくなりますから、酸素の量の方が勝って、窯の中の状態は、かなり酸化炎状態へと変わっていきます。
それを何で判断するかといえば、様々な穴から吹き出す炎の長さ、色、その他臭いなどなど、様々な情報を五感を利用して感じるしかないので、それにはまだまだ経験が足りません。
もちろん、還元の状態がまったくわからないというわけではありませんが、「これくらいの還元状態だったら、作品の上がりはこれくらいの色」というのが、まだわかりません。
自分の作品だけなら、使用している土の種類も限定されるので、ある程度は予測を立てやすいのですが、うちのように陶芸教室となると、会員ごとに使用している土が違うのでなおさらわかりにくくしています。
穴窯というのは、炎の方向が手前から奥へという一定方向なので、必ず正面と裏ができます。花瓶様のもので、口が綴じているようなものなら、中は見えないので、正面と裏ということでいいのですが、茶碗のように口が開いているようなものだと、炎の方向に対して使用するときに見える内側が陰になるので、どうしても見栄えのいいものにはなりません。
還元の具合だけでなく、そういった炎の向きというものも意識しないと、いい作品にはつながりませんね。その辺が、薪の窯の楽しさでしょうか。
4回目の穴窯焼成
21日から25日まで、4回目の穴窯焼成をしてきました。
今回も、睡眠時間はぜ~んぶで10時間ちょっと。
もっとも薪をくべているときにも、ウトウトウトウト。
何となく居眠りしながらなので、実質はもうちょっと寝ているのかな???
前回は、4時間くらいしか寝ていなかったので、今回はだいぶ楽って言えば楽だったんですけどね。
今回の窯焚きは、さすがに慣れてきたということもあり、力の抜き方がわかってきたというか、手の抜き方がわかってきたというか…。
前回までは、いきなり松の割木で温度を上げるというやり方をしていましたが、今回はゆっくり燃えて火保ちのいい雑木(楢やクヌギ、桜など)を初めにくべることにしたので、薪の消費量もぐっと少なく、しかもなかなか燃え尽きないので、次の薪をくべるまでに時間的な余裕も出来、だいぶ楽に温度を上げることが出来ました。
今回、気になったのは、うちの窯焚きの前にかなり長期間(8ヶ月ほど)窯の利用がなかったことと窯焚きの少し前に天気のぐずつくときが多かったことで、湿気が大変多かったことです。
パイロメーター(温度計)が800度くらいになっても、窯の後方からかなりの勢いで湯気が立ち、なかなか窯の湿気が抜けきれなかったので、その分あぶりに時間を要してしまいました。
湿気がどう影響するかは、窯出しを待ってみないとわかりませんが、悪い結果になっていないといいのですが…。
とは言え、温度の上がりは順調で、パイロメーターの位置がかなり後ろであったにもかかわらず、1250度を難なくクリアできたので、おそらく火前は、1300度を軽く超えていたものと推測されます。
火前にあった作品は、かなりな大物(メダカ鉢、大壺など)ばかりで、全体のつくりや口周りもやや厚めのしっかりしたものだったので、割れがきている心配も少なく、かなり期待していいのではないかと思います。
つづく
そろそろ暖房の季節
ちょっとずつ冬が近づいてきました。
寒くなると外が乾燥してる上、暖房を使うので、どうしても作品の乾燥も早くなります。
うちの陶芸教室では、棚にロールスクリーンをつけて、できるだけ急速な乾燥を避けるようにしています。
これがその自慢の乾燥棚です。
それでも急な乾燥によるひびは、なかなか防ぎにくいものです。
大物の場合は、できるだけ慎重に、乾燥しにくいところに置く場合でも、新聞紙をかけるとか、場合によってはサランラップで乾きやすいところを包むくらいの配慮が必要ですね。
特に種類の違う粘土を何種類か重ねて利用する場合などは、土の収縮率が違うので、ひびが入りやすくなります。
そういった場合は、特に注意です。
傘立て
傘立てを2つです。
どちらも3時間くらいで積みました。
大きいからといってあまり時間をかけてしまうと、粘土の乾燥の具合で作りにくくなるので、早く積めるのでしたら早く積んだ方がいいですね。
土は、下から「黒御影」「黒御影+古陶細目+古陶粗目」「古陶細目+古陶粗目」です。
古陶の細目と粗目はそれぞれ半々、黒御影と古陶はそれぞれ半々です。
ちょっと積み方に変化を付けてみました。
左の作品は、あらかじめ四角にしておいたものを途中にはめ込むようにして積みました。右の作品は、ひもの状態で色をつぎはぎしながら、太さも故意にまちまちにして積んでみました。
施釉は、内側にのみ黒マットを若干口のところを残し掛ける予定です。